合格への鍵 ~重要必須事項について、近年の問題を通して解説~
(本欄は、当会の建築士講座講師が適宜分担して担当し、当会建築士講座監修者本会講座総合監修者)が総合監修します。)令和 4年度 第 15 回 令和4年2月3日
【問題1鉄筋コンクリート造の既存建築物の外壁改修工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。この問題は、平成22年一級建築士施工の問題で、いずれも、鉄筋コンクリート造の外壁改修に関する設問です。
- コンクリートの中性化の進行に伴う鉄筋の腐食の補修において、鉄筋の腐食に対する恒久的な補修工法として、腐食した鉄筋を斫(はつ)り出し、錆(さび)を除去した鉄筋に浸透性吸水防止剤を塗布した後に、コンクリートの欠損部にポリマーセメントモルタルを充填(てん)した。
- タイル張り仕上げ外壁の改修において、タイルの大きさが小口タイル以上のタイル陶片の浮きについては、注入口アンカーピンニングエポキシ樹脂注入タイル固定工法を採用した。
- 塗り仕上げ外壁の改修において、既存塗膜を除去する必要がなかったので、水洗い工法により塗膜表面の粉化物や付着物を除去し、上塗りのみ塗り替えた。
- モルタル塗り仕上げ外壁の欠損部を充填(てん)工法で改修する場合において、欠損範囲が直径20cm程度で、充填(てん)する厚さが約10mmであったので、ポリマーセメントモルタルを2層に分けて塗り重ねて充填(てん)した。。
【問題2】改修工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。問題2は、平成26年二級建築士施工の問題で、建具、仕上げ補修についての設問からなる問題ですが、設問2は、既存防水層撤去後のコンクリート面の下地補修及び処置においては幅2mm以上のひび割れに対しては、グラインダーを用いてU字の溝をあけ、そこにポリマーセメントモルタル等のポリウレタン系シーリング剤を充填することが、補修法としての原則ですので設問2は誤りです。
- アルミニウム製建具の改修工事において、既存建具の枠に著しい腐食がなかったので、既存建具の外周枠を残し、その枠に新規のアルミニウム製建具を取り付けた。
- 合成高分子系ルーフィングシート防水の既存防水層撤去後のコンクリート面において、幅2mm以上のひび割れに対しては、ポリマーセメントモルタルで補修した。
- 内装改修工事において、ビニル床タイルの接着剤には、特記がなかったので、ホルムアルデヒド放散量による区分の等級が「F☆☆☆☆」のものを使用した。
- 天井内の既存壁の撤去に伴い、取り合う天井の改修範囲は、特記がなかったので、壁面より両側600mmとした。
- 外壁改修工事の高圧水洗工法による既存塗膜の除去において、高圧水洗機の加圧力は、試験施工を行い決定した。